大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和30(オ)226 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人江尻平八郎の上告理由一について。

原判決の認定によれば、本件家屋は被上告人の所有であつて、被上告人からDに、

DからEに順次譲渡された旨の登記はあるが、被上告人からDに対する登記は、D

が被上告人の印章を偽造してなしたもので、真実所有権が譲渡されたものではない

というのである。そうだとすれば、その登記こそ無効であり、それが無効である以

上甲第一号証の登記が二重登記でないことは明らかである。それ故原判決が特に右

の点につき説示しなかつたとしても原判決主文に影響はないから、所論は理由がな

い。

同二について。

上告人が原審で提出した準備書面中には所論のような主張の記載がみられるけれ

ども、右準備書面は、原審口頭弁論において陳述された形跡は記録上認められない

ので、原審がこれにつき判断しなかつたことは当然であるから、論旨は理由がない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 垂 水 克 己

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